タイヤ屋が、窒素ガスのメリット・デメリットについて本音で語ります!

2016-09-21

空気の替わりに窒素ガスを入れると良いって事を、知ってましたか?その事について、本音で語ります!

知っている人は、知っている。知らない人は、ナニそれ?ってのが、タイヤの世界にはあります。それは、窒素ガスと呼ばれてる気体です。(声が変わるのは、ヘリウムガスですよw)

こんにちは。
タイヤ・コーディネーターこと、まさTYREの田中です♪ (・∀・)ノ

 

昨日の台風も過ぎ去り、秋の気配を日増しに感じますね。そんな折に、先日ブログに書いた
〝 せめて、空気圧点検だけはしてくださいね♪ 〟ってブログ記事を書きました。その記事に関して、大阪市住之江区にお住まいのエクスマ先輩である某オッキーさん(40代 男性)
から、こんなコメントを頂きました。

 

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窒素ガスを入れられた先輩は、空気圧の点検しなくなったそうです。。。(号泣w)

 

空気圧の点検をご自身でされなくなったと言うよりも、実際には点検したくても、自身では出来ない環境下になってしまったのでは無いかと思うんですね。その理由は、先輩自身も承知されている様でした。

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実は、窒素ガスには【 デメリット 】なるものがあるんです!

そうなんです!窒素ガスを入れてしまうと、補充の際には同じ窒素ガスを入れなければ効果がなくなってしまうんですね。しかも、窒素ガスを充填できる場所ってのが限られてしまうんです。

 

今日のブログは、そんな先輩との約束を守りたくて書きましたました!
いや、寧ろ、先輩のために書いたブログです!押忍!ww

 

窒素ガスのメリットからお伝えします!

窒素ガスとは、不燃性・不活性のガスで、通常空気中に約78%の割合で含まれています。
酸素に比べてタイヤの素材であるゴム分子を通り抜けにくいことが特徴です。
そのためタイヤの空気圧が低下しづらくなり、不活性であるため酸化防止にも効果があります。また、不燃性のため火災などの災害防止にも活用されています。・・・云々かんぬん

 

成分とかよりも、要約すると以下のメリットが考えられます。
1、空気圧が減りにくい
2、空気圧が減りにくいから、燃費が良くなる
3、温度変化に強い
4、ホイールをサビ等から守る
5、走行中のノイズが、静かになる

これらの効果があるとされています。
空気に比べて、ゴム表面から外部に漏れにくいのが最大の特徴でもありますから、自然低下しにくい性質がポイントなんですね。その結果として、上記の1番2番の結果に結びつきます。

 

また実際に、航空機のタイヤやF1マシーンのタイヤに空気の代わりとして使われる事が多いんですね。(F1では、今は違うとも聞きましたが、実際はどうなんでしょうね?)

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その昔、ヨコハマタイヤも航空機向けのタイヤ事業を展開していまいた。

なぜこの2つに採用されているかと言うと、この両者はタイヤと路面の摩擦による影響を大きく受けるんですね。即ち、窒素ガスは 熱膨張に対して、温度変化がしにくい特徴が優れているからなんですね。それが3番の温度変化に強いって事を意味します。でも、絶対に温度上昇しないってワケではありません。上がりにくいだけであって、上昇はします。

飛行機のタイヤに窒素ガスが使われている理由

これだけを見れば、『 じゃあ、空気よりも良いじゃん! 』ってなるかと思われるのですが、でもメリットだけではなくて、デメリットも実際にあります。

 

 

そのデメリットとは。。。

・補充するには、同じ窒素ガスを補充しないと効果が無い!
・補充する際は、設置店に行かないといけない!(先出の先輩談)
・圧が減りにくいだけであって、絶対に減らない訳ではない!
・実際に充填しても、体感しにくい事!

この様なデメリットが存在するのも事実です。と言うか、それが正直な本音でもあります。
そもそも、ボクの中ではメリット項目にある5番のイズが静かになるって点が気になるんですね。これは過去に自分自身が窒素ガスを試したものの、確かにその効果はありましたし、実感する事は可能でした。

 

でしたが、正直、これは個人差による感じ方の違いが大きな要因があるなと思います。
理屈的には、その様な効果があるのは分かるのですが、実際にはその恩恵は微々たる領域だと思います。

 

例えば、ダンロップタイヤの製品の中には、タイヤ内部にスポンジを搭載したモデルのタイヤがあるんですね。(特殊吸音スポンジと言います。)
少し極端な話ですが、仮に窒素ガスを充填して音が静かになるのであれば、ダンロップタイヤが開発コストをかけてまでタイヤ内部にスポンジを装着する意味があるとは思えないんですね。窒素ガスだけでは完璧に音を抑える事が出来ないからスポンジをタイヤ内部に装着し、尚且つ、それに加えて窒素ガスを充填する事で、音をより静かに抑える事が出来る様になるんだと思います。

実際に窒素ガスを検証したサイト

他のタイヤメーカーでは、この様なタイヤ内部で音を吸収する性能を持たせているのはありません。ヨコハマタイヤの一部でサイレントリングと呼ばれるモジュールを組み合わせたタイヤはありますが、それも極一部と限定的です。

 

タイヤが走行する際に発するノイズは、正直、道路のアスファルト形状に大きく左右される部分だと思います。一般的な道路の路面でも、目が細かい路面と粗い路面とでは音の発生音が違うんですね。また、トンネル内の路面では回りが囲まれているので一般道路との路面に違いがあります。

 

 

結果、実際にはどちらが良いのか?

これはボク個人的な私見になりますが、タイヤに窒素ガスを充填するメリットは無いと判断します。その理由は、主に以下の通りです。

・先ず、その恩恵が少なさ過ぎる。
空気圧が減らないと誤解されて、空気圧の点検をしなくなる率が高まる。 ←ここが、最も危険!
・それが要因となって、空気圧不足になるなら本末転倒!
・インフラ整備率が悪いので、利便性に魅力を感じない。

この様な観点から判断すれば、普通に空気で良いと思います。空気だと、お近くの整備工場さんやガソリンスタンド、カーディーラー等で補充する事が可能です。

 

余程、車が好きで堪らない、或いは、車でドライブをする事が大好きで日常のメンテナンスをご自身でされている方でない限りは、メリットは少ないなと判断します。そういった観点からも、ボクの工場でも窒素ガスを導入していません。

 

くどいですが、車が快適に走行するにはタイヤの空気圧で決まります。ここが不足すると、どんなに良いタイヤであっても、その性能を存分に発揮する事は不可能なんですね。

 

遠くの親戚より近くの他人

では無いですが、ボクたちの身近にある空気でマメに点検する方が、安心して車を使う事が出来るのでは無いかと思います。無論、これはボク個人の私見でもありますから、窒素ガスそのものを全否定する意味ではありません。窒素ガスにするメリットも確かに存在しますが、総合的に判断しての解釈として捉えてくださいね♪

 

 

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